2024年8月3日土曜日

電源車デ形について③


東芝社報「三井鉱山三池港務所電源車 新設計蓄電池を搭載」(*1)より、電源車デ形についての3回目になります。タイトルに”新設計蓄電池”とあるように、メインテーマはあくまで蓄電池としています。当然ながら専門的な内容となっていますので、わたしには・・・さっぱりな内容なので、興味ある方はお読みいただければと思います。

すでに現状(デ1号)の蓄電池と電池箱は取り上げました。
デ1号電源車⑨

下記写真は文献(*1)より引用、蓄電池(型式VGKM-300型)および電池箱の外観になります。蓄電池は12Vのモノブロック構造(電池箱1つに4ブロックで48V)、天面に立つ白い筒状のものは自動保液器(精製水を自動補給)と防爆形排気栓で、1ブロックに6個付いています。自動保液器は現状では無くなった機器だと思います。”300”は蓄電池容量(300Ah)で、これは現状の2/3ほどでした。


電池箱は現状のものと大差ありません。天蓋の止め具は無くなりましたが、新たに両脇に把手が付きました。電池箱を結ぶ連結栓は小型のものに交換されました。


鉛電池の寿命は一般的には15年前後(充放電のサイクル数や過充電・過放電等による劣化要因に左右される)とされるので、おそらく3回ほどは蓄電池交換がされたのではと推測されます。デ1号が保存車両に選定されたのも、蓄電池の経年数が短かったためと聞きました。


(*1)鵜沢正治・山司房太郎「三井鉱山三池港務所電源車 新設計蓄電池を搭載」『東芝レビュー1963(S38)年10月号』東京芝浦電気発行

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