2024年2月15日木曜日

三池の絵葉書から①

しばらく更新が滞りましたが、この間、2024(R6)年1月に万田坑にて『千本桜展2.0~桜京の夢』(*1)の開催がありました。荒尾市は万田坑でのイベント開催に積極的ですね。この他、わたしには疎いジャンルですが、コスプレイヤーやアイドル撮影会などもしばしば催されおり、万田坑の知名度のアップにつながっています。このおかげか、炭鉱電車12号と18号の姿もSNSで多く見かけるようになりました。つまりは別嬪さんの背景として😻


マイコレクションから万田坑の古絵葉書をひとつ。三池炭鉱の数ある坑口の中でも、万田坑については群を抜いて発行数が多いのは間違いないでしょう。威容をほこる第一立坑を中央に配し、万田坑全体を見渡す構図は定番のひとつです。


以下、絵葉書に解説を少々。
この構図は、万田坑を西側(荒尾市原万田)から見ています。すこし高い位置からの撮影で、現在も小高い丘となっていて場所は特定できますが、笹藪となっていて見通すことは難しいのが残念。
手前の線路は三池本線、右手が三池港、左手が宮原方面です。第一立坑巻上機室そばに見える建屋が初代万田駅。よく見ると、そばには給炭台と水タンク。その奥の選炭場は、今は12号と18号電車が保存されている位置になります。
なお、この絵葉書は、万田駅構内は未電化なものの、8トン炭車の姿があるので、1905(M38)~1911(M44)年頃の撮影ではないかと推測されます。


三池炭鉱の絵葉書は非常に多く発行されており、コレクションの愉しみとなります。これら絵葉書は、おそらく物見遊山のお土産として大牟田駅などで売られていたもののほか、三池港に上陸した外国船員の日本土産となったことでしょう。三池の産業遺産観光も定着した感がありますが、三池炭鉱が”遺産(heritage)”となる以前から、もともと産業観光という一面があったのではないかと思っています。


(*1)荒尾市HPより『千本桜展2.0~桜京の夢』チラシ(PDF)

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