2024年6月30日日曜日

デ1号電源車⑦

しつこくデ1号電源車を舐めまわしていますが、まだ続けます。今回は床下機器を見てみましょう。デ1号には矢印の位置に5個の箱型機器が下がっています。同型のデ4号も同じ機器配置ですが、更新されたデ3号には無いものになります。



文献(*1)によれば、床下機器は充電抵抗器となっています。このうち、4位車端側にある機器Aのみ形態が異なっています。巻かれたケーブルは機器箱から繋がっているようです。


左右床下に2個づつ、計4つある機器Bです。蝶番がありますがボルト締めしてあるので、通常は開かないと思われます。天面の円盤は、抵抗器の熱を逃がすベンチレターでしょうか。






(*1)鵜沢正治・山司房太郎「三井鉱山三池港務所電源車 新設計蓄電池を搭載」『東芝レビュー1963(S38)年10月号』東京芝浦電気発行

2024年6月21日金曜日

デ1号電源車⑥

デ1号電源車の機器箱、何が入っているか気になりませんか😹
隠れたものは見たくなる、その性(さが)には抗えぬという訳で、はい御開帳。


以下、フルオープンの写真は同型のデ4号から。ツナギ図(*1)をもとに、各機器を推測します。機器箱の蓋は2つに分かれているので、まずは20トン電車との連結栓のある4位側から。プラス、マイナスそれぞれに自動遮断器(ブレーカー)が付いています。ACBとあるのは気中遮断器のこと。電源車電路の最初の機器になります。型式年式までは見ていませんが、傘マークの東芝が書かれているのでかなり古いものでは(製造当初のものかも)。



3位側はこんな感じ。中央寄りの機器はバネが見えるので電磁接触器だと思います。ツナギ図では、Lは断流器、CCは充電接触器となっています。手前側の機器はRCRY、CCBと書かれていますが、これは何でしょう(;'∀')。一番手前のかげに隠れていますが、緑の筒状のものは抵抗器だと思います。


機器箱蓋の裏には小さなシールが貼ってありました。拡大すると、蓄電池の取り扱いについての注意事項が書かれています。




(*1)鵜沢正治・山司房太郎「三井鉱山三池港務所電源車 新設計蓄電池を搭載」『東芝レビュー1963(S38)年10月号』東京芝浦電気発行

2024年6月14日金曜日

デ1号電源車⑤

4月より毎月2日間(第2第4日曜)の定期運転も安定してきた万田坑の12号電車+デ1号電源車。なぜか天気に恵まれない日が連続しましたが、雨天かまわず決行されています😹

今回はデ1号の台車周りを見てみます。
デ1号は、ハコ1号15トン積み無蓋車の改造(1962(S37)年)です。ハコ1号は1942(S17)年若松車輌製。ハコ時代の姿は未発見なため詳細は不明ですが、同世代の国鉄無蓋車の規格に倣ったと思われ、当時としてはスタンダードな、一段リンク式台車となっています。



両抱え式のブレーキ、また4輪すべてに掛かる仕様なのは三池貨車としては珍しい事例で、おそらく20トン電車の制動力を高める意味があったと思われます。車輪は一体圧延となっていますが、古い写真を見るとスポーク車輪でしたので、いつの間にか交換されたようです。